本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

NHKスペシャル 亡き人との"再会"

昨日、NHKスペシャル シリーズ東日本大震災 亡き人との"再会"〜被災地三度目の夏に〜 http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0823/を見た。最近、被災地の都市伝説として新聞でも採り上げられていた、津波の犠牲になった家族の気配を見る・感じるという遺族の切ないエピソードである。

家の中で一緒に水にもまれながら沈んでいった祖母、船で波に飲まれた父親、幼い子供など、家族を失った悲しみは深く、自分だけ生き残ってしまったというサバイバーズ・ギルトの様子も感じられる。「死んだこの年を数える」はやっても仕方のないことというネガティブな印象のことわざだし、自分は霊魂はないと思っているが、もし遺族がそこに慰めを見いだしているとしたら、それはそれで意味あることなのだと思う。

玄侑宗久の日本100巡礼は先週「ひとはなぜ幽霊を見るのか」というテーマだったが、上記のようなことがあるからではないだろうか。

淡々としたナレーションは宮本信子。夏ばっぱ→東北からの起用かと思ったが、そんな気配はなかった。思えば彼女も不慮の形で夫を失っているしなぁ・・・。

ひとつ気に入らなんだのは演出過剰だったこと。もちろんドキュメンタリー番組であっても演出は不可欠だが、取材過程でなかった特殊映像効果を使う必要はあるまい。
 
 

余談だが・・・。自分は被災地石巻に縁があるので、昨夏、仏事で訪石してきたが、この時、叔母から「夜中に橋のたもとを通ると、冷たいと訴える声が聞こえるらしい」なんて話を聞かされてぞっとしたものだ。こういうのもまた被災地の都市伝説であろう。

そろそろ八十になろうとする叔母のマシンガントーク(まるしー従弟)は健在である(笑)。