変態*1ドラマーなビッグバンドリーダーのファンキー極めつけ盤。
グレン・ミラーやデューク・エリントン的なスインギーなビッグバンドではなく(そちらも好きですけどねもちろん)、60年代感たっぷりのスピーディーなビッグバンドジャズが魅力のバディ・リッチだったが、1974年の咆哮という訳だからファンク、ソウルミュージック真っ盛りの頃であり、ドコドコと鳴るベース、カッティングのギターなどが、大きくそちらへシフトしている感じがある。ジャズファンク的とでも言うか。そして、ジャズファンクが大好物の自分だから、これはもう何とも言えない気持ちよさだ。
バディ・リッチの超ハイスピードなドラミングは、単に速いだけでなく、微妙なアクセントがあちこちにあり、どこから弾が飛んでくるか分からない複数の機関銃に狙われているかのごときヤバさ(快感)がある。本作ではそれがちょっと少ないのが不満と言えば不満かなぁ。
バリバリな曲目ばかりの中にあって優雅な感じの"Prelude to kiss"は何となくグレン・ミラーっぽくて、先達に対する敬意かしらんと思う。
本作の中では下記のBackwoods Sidemanが一番好きだ。
Nuttvilleは、三月で終了したバラカン・モーニングのBGMで使われていた曲だ。このCDを聴くまでバディ・リッチだったとは知らなんだ・・・。
ドラムもギターもラッパもサックスも、ソロを取ればバリバリ全開なのがバディ・リッチの音楽の魅力で、本作でも十分に堪能できる。ジャズ特有の陰鬱だったりミステリアスだったりムーディーだったりなどとは無縁の痛快さで、聴いているとどうしたって体が動いてしまう快感グルーヴ。