セントルイス・ブルース、ラウンド・ミッドナイト、マンテカなど、古今のスタンダードをピアニストでアレンジの名手ギル・エヴァンスが料理し、ファンキーなアルトサックスのキャノンボール・アダレイが流麗に吹きまくる。ビッグバンドというには数が少ないが、分厚いホーンアンサンブルも大いに楽しい。
ギル・エヴァンスの音楽には実のところ今まで縁がなかった。白人ピアニストと言うことで、おしゃれで知的な都会派アレンジかと思いきやそうでもなく、結構こってりしたピアノを聴かせてくれる。そして、一般的なモダンジャズ(ハードバップとかクールとか)ほどゴリゴリした印象はなく、グレン・ミラーなどのスイングを幾分モダンでスリリングにした感じ。肩肘張らずに楽しめるし、華麗かつファンキーなテナーと分厚いホーンが相まって非常にぜいたくなサウンドだ。ブラス好きにはもうたまらん(笑)。
それにしても静謐なラウンド・ミッドナイトの後ににぎやかなマンテカをつなげるかぁ。ラウンド・ミッドナイトの終わりとマンテカの頭に同じアレンジを施し、曲間を空けず一続きの演奏でいう憎い技(笑)。
Gil Evans New Bottle, Old Wine - Manteca