一般メディアからはエロが隔絶され、ネット上には規制なしのあからさまなエロがあふれかえる昨今に対し、深夜の時間帯とは言えテレビで裸体が放送され、週刊誌にはヌードグラビアがあふれいて、親に隠れて聞く「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン」にワクワクしていた昔日。隠されたエロを一目見ようと好奇心を燃やし興奮した時代を懐かしみ、「ほのエロ」の視点でさまざまな事象をルポしたエッセイである。
グラビア、女性アスリート、ピンク映画、SM喫茶、スポーツ新聞、陽物(男性器)を陽気に崇める祭りなど、その興味の対象の幅広さはさすが。
「秘すれば花」という文句は、本来の意味は違うだろうが、やはりエロは隠されているからこそ魅力的なのであり、「赤裸々な性描写」など鬱陶しいだけの自分としては「ほのエロ」の視点に大いに共感する。よくぞ女性の身でここまで観察したものだと思う(笑)。あからさまエロにも足を踏み入れているが、今日日ほのエロを探すのはなかなか難しそうだ。