夕刊にノンフィクション作家・歌人の辺見じゅん女史死去の報があった。
この人の「呪われたシルクロード」は、明治期に富をもたらした生糸の輸出を描いたもので、養蚕が主要産業であった八王子から積み出し港の横浜までをシルクロードに見立ててそこに女工哀史をミクスチャーしたような作品だったと思う。
多摩地区にあった全寮制都立高校に在籍していた頃、辺見女史の講演会があった。講演会自体は聞き逃したが、図書委員をやっていたのでテープ起こしをやらされた経緯があり、何となくこの人には縁を感じている。その割には一冊も読んでいないのだが・・・(汗)。
それにしても、短歌でも著作でもいくつかの賞を受賞していて、評価の高い人だったのだ。角川源義の娘というのはデビューするにおいて多少のメリットではあったかもしれないが、それだけでやっていけるものではないだろう。やっぱり筆力なんだろうな。
そういえば、わりあい最近に文学賞を受賞した若い女流作家は、大叔母が有名な翻訳者で、高名詩人の引き立てで評論界にデビューしたそうだ。なおかつ美人だが、だからと言って純文学最高峰の新人賞が貰えるようなものでもあるまいなぁ・・・(笑)。
- 作者: 辺見じゅん
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1980/05
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (1件) を見る