本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

ダ・ヴィンチ・コード/ダン・ブラウン

宗教象徴学者ロバート・ラングドンが聖杯の謎を解くべく、フランス司法警察に追われながらフランスとイギリスをドタバタと駆けまわるノンストップ伝奇ミステリー。この話題作を今頃読んでいる(笑)。

ルーブル美術館館長のジャック・ソニエールが狂信者と思しき殺人者に殺さるが、死の間際、自分自身の体をダイイングメッセージとして残していく。ソニエールと会合の予定のあったラングドンに嫌疑がかかり、被害者の孫であるソフィー・ヌブーはラングドンの逃亡を補助、共に暗号を解こうと必死の逃亡劇を繰り広げるのだった。

ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に描かれた人物が実はマグダラのマリアで、彼女との間に子どもがあったとするシオン修道会の教義や、狂信的なカトリック団体、聖杯探索マニアの思惑などが絡んでスリルとサスペンスの物語が進行するが、なんだか進行がもたもたしていて一気呵成の面白さは感じられず、終盤になってやっと動き出した感がある。正直なところ、前作の「天使と悪魔」の方がハラハラドキドキ感が強く、よほど面白かった。

二作目が話題となってヒットするパターンは映画レイダースシリーズと似ているような気がする。それなりに面白さはあったが、なぜこんなにもベストセラーとなったかは謎だ。因みに「天使と悪魔」もそこそこに話題作ではあり、書評で面白そうに思われたので刊行時に読んでみたものだが、非常に面白かったのを覚えている。