不思議なジーンズと仲良し四人組を巡る三度目の夏の物語。
母親と二人きりの生活に慣れきっていたカルメンは、母親が再婚し、妊娠したことで自分の居場所がなくなると悲観し、またもひねくれた行動に出てしまう。駄々っ子カルメンの本領発揮だ（笑）。
ティビーは妹を怪我させてしまった（と思っている）ことで、これまた悲観的な夏を過ごしているし、ギリシャからアメリカに引き取られたレーナの祖母は思いっきりひねくれている。そして、その世話役のアルバイトをカルメンが引き受けてしまったために、ひねくれ者同士が激突する（笑）。
レーナは美大に進学したいが、父親が反対しているため、奨学金を得るためにデッサン集を制作し、その過程でひとと向きあい、内面を抽出することを知る。それは悲しみでもあったりするので、決して楽な作業ではない。
そうなのだ、この物語は、大人になりかかった少女たちが、幸福な子供時代に別れを告げ、大人の悲しさを知り始める小説と言っていいのかもしれない。ひとまず大団円だが、最終巻はどんなことになっているやら・・・。
