有名な古典作品で、映画化もされている。関係ないが映画の主題曲は旅情をかき立てるなぁ。
交通が発達して離れた大陸との移動時間が短くなり始めた十九世紀末、イギリス紳士のフィリアス・フォッグは八十日間で地球一週が出来るかという無謀な賭けをする。機械の如く正確な毎日を過ごす、感情を表に出さない冷徹なフォッグ氏だが、この賭けでも冷静なだけの人間ではないことが分かる。そして、雇われたばかりの召使パスパルトゥー（陽気で善良なフランス人の若者）をお供に、波乱万丈の旅に出る。
しかしフォッグ氏には銀行強盗の容疑がかかり、執拗に追跡する刑事までがお供に。旅路には数々のトラブルが待ち受け、無事に旅を完遂できるのか、ハラハラドキドキの冒険行が展開される。
刑事の葛藤など、もう少し描きこめば更に面白くなろうと思うのだが、これはこれでまぁ良しとすべき。子供の頃から何回か再読していて、細部もほぼ覚えているのだが、それでもきちんと面白いのはやはり作品の力によるものか。
