本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

あるブロガーの闘病

畏敬する書評ブロガーhebakudanさんは、広範な読書量と知識、鋭い洞察、ややひねくれた冷徹な批評眼で、読み応えるのあるエントリを書かれて来た。数カ月前から鼻症状の闘病生活を送られていて、しかし意気は衰えず相変わらず面白い着眼点を楽しませていただいていたが、この度、ブログにご主人が、hebakudanさんがかなり重い症状を呈されていて、厳しい闘病生活に入られるらしいことを書き込んでおられた。
http://d.hatena.ne.jp/hebakudan/20100426/1272262014

それにしてもhebakudanさんはお強い。今までもご自分の病状を客観的に書かれ、しかもそこに鋭い洞察を付加されたりしていたが、下記引用部のような書き込みを拝見すると自分には真似出来ないことだと思う。



医師からは即刻入院を指示されましたが、「患者側にも準備が必要。入院先と入院時期は自分で決めたい」として妻はそれを蹴り、スキャン画像と病理検査のデータ複写、診断書の発行を請求して病院から持ち帰りました。

妻に言わせると、「よほど自分が今にも倒れ込むというほどの状態でない限り、即時に医者の言いなりになってしまわない態度を保つことによって本人自身が受ける動揺や身内が感じるはずの急激な負担をこの段階で多少でも減らしておける。」特に、働いている人や一人暮らしのお年寄りであっても、こうした場合に患者側から医師に「判断一時保留」を申し出る試みは大切なことのようで、検査データや診断書の確保は病院を変えたい場合に勿論有用とのこと。


病床からメッセージまで頂いてありがたいことだし、ご主人が「いずれもし再びのご縁がありましたらどうぞまたよろしくつきあってやってください。」と書かれているが、こちらこそ再びのおつきあいを強く望むものである。ご回復を。



なお、男女共同参画社会ということが言われる昨今、「ご主人」という呼称は差別的で不適当かもしれず、「お連れ合い」「配偶者の方」「パートナー」などの方が政治的に正しいのかもしれないが、浅薄なフェミニズムに対して「けっ!」という態度を通されてきたhebakudanさんなので、世間的な通例に従った。