本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

You say Italy kit a Lee

タイトルは「郵政行ったり来たり」のシャレです。奥田民生の「リー!リー!リー!」の真似をしてみました(笑)。


4年前の郵政選挙で当時の政権を大勝させた民意は、今度は反対側へ大きく触れた。傲慢を承知で言えば、民主政治とは衆愚政治だなぁと思う。

当時の郵政民営化策には反対だった。確かに金融と生命保険を国営でやることには違和感があったが(しかも財投の原資となり、天下り先の特殊法人へ流れる)、利権を大きく残したままで、いったい何が分割民営化だと思ったのである。案の定、郵便局(本局)という建物にそのまま業態の違う会社が併存しているのに、郵便受付と配達と簡保と貯金では業務が違うからあっちへ行けと、不便なことおびただしい。分割と言うなら、JRのように独立した会社にするべきだったろう。

そして、特定局という、私営だかお雇いだか分からないような妙な存在もそのままである。委託なら委託できちんと処理をすべきだろうに、特権と全特という政治力が依然として機能している。

今度の政権は、選挙では全特に依存してしまった。これでは言うことを聞かない訳には行かなかろう。国民のために何が最善かという視点がどちらの側からも抜け落ちているように思えてならない。

自分たちの親の世代は、特定局のことを三等郵便局と言ったりする。
以下はwikipedia:特定郵便局より

1871年の郵便制度発足時に、「三等郵便局」制度に由来する。三等郵便局は明治時代に公費で郵便局を全国に設置することが財政的に難しかった中で全国にいち早く郵便制度を浸透させるため、郵便の取り扱いを地域の名士や大地主に土地と建物を無償で提供させて、事業を委託する形で設置された郵便局である。

加えて、現金を扱ったりするので、委託するのに資産家の方が安全だったという話も聞いたことがある。故に戦前までは「局長さん」というと地域の名士だったらしい(現在でもそういう地域があるかもしれない)。明治政府(と言うより前島密?)はなかなか上手い手を思いついたものだ(笑)。

無償で郵便制度確立に貢献したというのなら、これは立派なボランティアというか、ノブリス・オブリージュであろう。しかし、現在は特権だけが残ってしまった感じである。地元の特定局は局長の態度が最悪で、非常に評判が悪い。メール便と小荷物及び現金の引き出しだけなら昨今はコンビニでも済むが、それだけではない用事があったりするから郵便局にも足を運ばなければならない。コンビニが出店しないような過疎地域では郵便局のみが金融機関だったりもするだろう。特定局の機能は認めているが、私営の特権を取り上げて、すべて郵便局会社に吸収してしまえばいいのにと思う。


銀行家を勇退させた(詰め腹を切らせた?)の後の社長に大物官僚を持ってきたり、取締役に右翼的な女性作家を起用したり、JPはこの先どうなるんだろうか。関係ないが、最後のバンカーはいかにも金貸しの親玉という顔つきをしていたなぁ・・・(笑)。


余談だが、経営再建が云々されている日航について、天下り先確保というような噂も漏れ聞こえてくる。現在の損失を大きく膨らせませた一因として、政治家が地元に空港計画を持ってきた結果、利用客の少ない路線を開設させられたということもあるらしい。なんだ、政治家が地元に新幹線だの利用者の少ない駅だのを作らせて負債を膨らませた国鉄と一緒じゃないか(笑)。国鉄特殊法人だったから民営化という手段があったが、すでに民間会社である日航の再建は難しそうである。というより、とっくに経営破綻しているレベルだろうに・・・。