本・花・鳥(ほん・か・どり)

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猛獣と猛獣使い

人間離れしたキャラクターのヒロとクロちゃん、一応普通人の団長から成る安田大サーカスをテレビで見た時に、これはサーカスの名前通り「猛獣と猛獣使い」だなと思った。

この猛獣と猛獣使いのパターンはお笑いコンビには案外多いような気がする。暴走する野獣キャラと、冷静に手綱を取る相棒という感じだろうか。昨今のコンビでは、キャイーン、オセロ、麒麟サンドウィッチマン南海キャンディーズ、響、ザブングルあたりが思い浮かぶ。

思えばやすし・きよしの横山やすしも野獣の方だったなぁ。笑いにも詳しい作家の小林信彦が、漫才コンビは役者人間と漫才人間が組めば面白くなる、というようなことを書いていたが、その時に例に挙げられていたのが西川きよし(役者人間)と横山やすし(漫才人間)である。自分の考える野獣キャラは要するに漫才人間なのかもしれない。

小林信彦の唐獅子株式会社シリーズ(「唐獅子株式会社」「唐獅子源氏物語」共に新潮文庫)は、大坂の極道組織をパロディ化した、ギャグにまみれたナンセンス小説の傑作だが、これが映画化された時、横山やすしが主演だった。何故ダーク荒巻を主役に持ってくるような設定にしたのかは分からないが、原作の持ち味がなくなっているなぁと思う映画化である。

関係ないが、源氏ミレニアムとか言ってイベントが仕掛けられているので、源氏パロディとして大々的に「唐獅子源氏物語」を売り込んでみるというのはどうだろう(笑)。