本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

東京日記/川上弘美

雑誌「東京人」の連載。  

日常におけるやや突拍子もないことを短文にまとめているが、5分の4は本当のことだそうである(笑)。小説の、本筋とは関係ない寓話的部分を抜き出したような感じだが、それだけで掌編小説にもなっている。

歩道橋の上で出会った知人に声をかけると逃げていく。「どうして逃げるの〜」と聞くと「夏のおわりはさみしいですからー」。コミカルで切なくて愛おしくて少し幸福な日々、という感じだろうか。