本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

博物将軍・吉宗

NHK教育知るを楽しむ・歴史に好奇心(木曜日)」の今月の特集は「江戸のなんでも見てやろう」で、江戸の博物学、好奇心といったところが眼目である。

http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200702/thurseday.html

第一回は「博物将軍・吉宗」のタイトルで八代将軍吉宗の好奇心が採り上げられていた。象やら孔雀やらペルシャ馬やら珍奇な動物を取り寄せたのは将軍様のわがままという感じがするが、原産地でも自生種しかなく、高価きわまりなかった朝鮮人参の国産人工栽培を奨励し、十七年かかって成功させてしまったという話はいかにも改革者にふさわしいエピソードである。国産朝鮮人参はオタネニンジンと呼ばれ、価格は輸入物の半分ほどに下がったらしいが、それでも高価なことではあったろうなぁ・・・。

思えば初代家康には花癖と呼ばれる草花への愛着があったし、八味地黄丸を愛用していて、薬品を自製するほどの健康オタクであったそうだから、そういう遺伝子が吉宗に流れていても不思議ではないと思う。江戸の園芸文化の隆盛も吉宗の好奇心が発端になっているらしい。本草学という薬用植物を中心にした博物学があるが、このあたりとも関わっているだろうか。

この後の放送予定は「君は人魚のミイラを見たか?」「尾張発“ノアの箱舟”」「シーボルトのカメラマン」となっていて、次回以降も楽しみだ。