戦後の棄民政策で、甘い言葉に騙されて地獄のようなアマゾン奥地に送り込まれた日系移民の二世たちが、日本である企みを実行するという冒険小説的な作品。輻輳するストーリー、張り巡らされた伏線、登場人物達の葛藤と克己など、実に読みどころのある物語だ。
主人公の一人は脳天気な日系ブラジル男だが、彼に振り回される女子アナあがりの記者との関係が笑える（かなりお下劣ですが（笑） ）。無節操で好色で単純で図々しいながら、通すべき筋は通す好漢ぶりに、記者の女性は怒りまくりながらメロメロにほだされてしまうのだ。ラストシーンが秀逸。
