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新車生活5 納車一ヶ月

カローラアクシオ1.5Xが来てそろそろ一ヶ月なのでちょっとレビュー。

スタイルについては散々叩かれたし、1.3の発売直後に実車を確認してから1.5の注文を出したので、多少のかっこ悪さについては覚悟していた。フロントオーバーハングを50mm縮小し、更に視界を広げるためかボンネットが急角度でストンと落ちているので寸詰まり感たっぷりだ(笑)。それでもモコモコした感じは悪くないし、スーパーの駐車場で格上の5ナンバーセダンと並んだが、特に見劣りしていなかったと思う。

グローバルカローラが3ナンバー化してでかくなっているのに対し、今モデルは日本の道路事情に合うように、日本人の体型にも合うようにデザインされたらしい。縦横とも日本人の体型からはみ出している自分には、広さは十分だが、車高がやや低く、乗り込む際に時々頭をぶつけてしまうのが難点。後席にも乗ってみたが、座高の高い自分には頭上がすれすれだ。でもまぁ、後ろは基本的に170cm以下の小柄な人間しか乗らないから無問題。

車が趣味ではなし、走行についても別に最初から期待していない。交通の流れにさえ乗れていれば十分なので、意外にきびきび走るなぁと感心している。軽い車重とそこそこパワフルなエンジンと新開発のCVTのおかげだろうか。CVTはDレンジでもエンジンブレーキが強くかかるので、そのあたりちょっと違和感と言えば違和感。

ベースグレードの1.5Xは遮音材が1.5Gより劣るって話もあるが、1.5Gには乗ったことがないので違いは分からない。アクセル踏み込んだときに甲高いエンジン音がややうるさいが、気になるほどではない程度で、平成12年式の下取り車よりは静かだと思う。特筆すべきは振動の軽さで、Dレンジに入れたままの信号待ちでもほとんど揺れを感じない。

何しろ「高齢者向けの開発」を謳っているので、ハンドルは軽いわシートベルトの引き出しは軽いわ小回りは利くわ(以前なら切り返しが必要だった状況でもすんなり回り込んでくれる)エアコンやオーディオには手が届きやすいわ(下取り車は前屈みに腕を伸ばす必要があった)、ものぐさな中年にもかなり楽ちんな運転が出来る。1.3の試乗レビューではハンドルが軽すぎて高速走行中に微調整を強いられ運転しにくいという意見が多々見られたが、1.5に関しては気になるものではなかった。

視界が広いというのもこの車の売りだが、無闇に胴体の大きかった1.8ステーションワゴンからの乗り換えなので、下取り車の方が視界は良かったと思う。これはあくまでカローラという枠の中で視界が広がったということなのだろう。Aピラーはやっぱり太いし(衝突安全性のためには致し方ない)、さほど視界の良さは実感できないが、視点が高いのとドアミラーの根元が開いているのは○。

概ね満足なのだが、満足できないのが燃費。坂の多い町に住んでいるので大体12km/Lくらいとディーラーで言われていたが、酷暑の中、エアコン全開で走っていると、燃費計の平均燃費で9km行かないこともある。試しに涼しい日にエアコン切って走ってみたら14km/Lくらいまで上がったが、エアコンでこんなに違うものなんだろうかな。高速では16km/Lくらい走ったので満足だったが・・・。

燃費を意識した走行だとアクセルをやんわりと踏むのでなかなかスピードが上がらない。後続車に「だからカローラユーザーは!」と思われているかもしれないが、カローラだから遅いんじゃなくてエコ運転なのよ(このエコはエコロジーじゃなくてエコノミー)。燃費計のある車に乗るのは初めてだが、あまり燃費を気にして走るのも心臓に悪い。坂道で踏み込んだときに3〜4km/Lくらいの表示が出ると冷や冷やするぞ(笑)。

直射日光遮蔽と防犯の効果はさすがトランクだと思う。短時間なら荷物を置いて安心して車を離れられる。容量も十分で、大家族の旅行でもない限り問題ないだろう。積みきれないような大きな買い物は配達を利用するか、軽トラを借りればよいので、普段の使い勝手を優先した結果、自分としては正解だった。後方にスペースがないときでもトランリッドが開けるし。

問題は後退の時で、ワゴンタイプならテールウィンドウの端を目安に下がれるが、セダンではトランクの分を予測して下がれなければならない。車止めがない時、後ろの壁にぶつかりそうになる心配があるけれど、これもシートから少し腰を浮かして振り返ることでトランクの後端を目視できることが分かった。

アクシオを選んだポイントは、セダンのメリット+後席の広さと安全装備の充実である。フィットも選択肢に入っていたが(使い勝手のいい車なら何でも良かったのだ)、フィットにアクシオと同程度の安全装備を付けたら同程度の価格に収まっただろうか。老母を乗せるので「高齢者向け」を謳った開発も実はジャストミートだった。高齢者の運転しやすさばかりが喧伝されるが、同乗高齢者のためにもやさしい車のような気がするし、そういう理由で選んだオーナーがいたら大いに共感する。

ミニバンやコンパクトに押されて5ナンバーセダンは人気薄だ。セダンを選んだからと言ってミニバンを否定するものではないが、あの大きさは自分には必要ない。要はそれぞれのライフスタイルに合った車を選べばよいのだ。子なし中年にはこれくらいがちょうど良い。

因みに、両親とも有名人の日英ハーフが「This is ちょうどいい○○」とかってCMをやっている車もディーラーで見てみたが、あまりちょうどよくなかった印象。後席は思ったほど広くないし、ステップが高いので足腰の弱い年寄りには不向きに思えた。あれはやはり小さな子供のいる家庭にちょうどいいのだろう。

閑話休題。詰まるところ、新型カローラアクシオは誰が運転しても乗りやすい、没個性で良質なバリアフリーカーだと思う(無印良品的とするレビューもあったが同感)。売る方も買う方も高齢者限定と思わず(パンフレットなんて丸っきり熟年夫婦仕様だ)、バリアフリーを売り物にすれば良いのになぁと思うのである。

以前から気になっていたラウムは助手席側がパノラマオープンで乗り込みやすく、バリアフリーを謳っていたが、さほど売れなかったのか昨秋廃番になってしまった。テールドアが横開きなのも使い勝手が良さそうだったし廃番は残念。カローラベースで復活させてくれないかな。

アクシオで初めての遠出は宮城県石巻市へ。往復950km程度をストレスなく走ってくれた。今モデルは宮城県大衡村で生産されているので、おそらく生まれ故郷をかすめて走ってきたと思う。アクシオの販売は被災地支援の一環にもなろうが、あまりそれを売り物にされると鼻白むかな。

ウェブ上の試乗記では「いい車だけれど自分では乗りたくない」「トキメキがない」みたいな意見が多いのに、姉妹車のフィールダーに関しては「若々しい」「若受けする」と言ったポジティブ評価。セダンのトランク部分に屋根を付けただけのデザインがなぜ若々しいのかはなはだ疑問だが、乗り味も違うのかもしれない。ま、カローラを積極的に評価するような人間はモータージャーナリストなど志すまい。しかし、車には夢も希望も持たない代わりに実用的で良質な商品を求めている層がいるんだよ(こういう層はカローラからプリウスに行っちゃったらしいけど。或いはフィットかな)。

以下はウェブ上の試乗記(口汚くけなすだけのK沢のは省略。自分の買い物をけなされて喜ぶ人間はいない(笑))。

トヨタ カローラアクシオ新車試乗記 高い完成度を誇る日本を代表するセダンだが・・・
http://www.corism.com/review/toyota/1838.html

トヨタ 新型 カローラ 1.5リッターモデル 試乗レポート/渡辺陽一郎
http://autoc-one.jp/toyota/corolla/report-1109522/

トヨタカローラのライバルはカローラ! アクシオ1.5L試乗記
投稿者: 郄橋 明 2012年07月19日
http://autoprove.net/2012/07/20473.html

トヨタ カローラアクシオ 試乗レポート初代カローラの記憶
2012/07/10 掲載  レポート:吉田 匠
http://www.carview.co.jp/road_impression/article/toyota_carolla_2/1385/1/

トヨタ カローラアクシオ 試乗】よりカローラらしくなった…青山尚暉
http://response.jp/article/2012/07/15/177916.html

ほのかに「昭和の香り」
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/i0000026884.html