本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

美味

料理通異聞/松井今朝子

現代にも残る江戸時代以来の料亭「八百善」の初代、善四郎を主人公にした連作時代小説。 母親が身ごもったまま料理屋「福田屋」の妻女となったらしく、善四郎には実の父と育ての父がいるが、育ての父を本当の父と思い、料理屋の息子として育っていた。当時の…

わるい食べもの/千早茜

いわゆる食味随筆だが、嫌いなものなどネガティブな食べ物についても触れられていて、なかなかに趣深い。 著者が嫌いなのは牛乳で、想像しただけで戻してしまう話とか、歯茎を切開し骨を削って親知らずを抜く手術を経験した後の、口中にあふれる血液の味とか…

丸亀製麺二回目&今日の独り言

前回、冷たいうどんを頼んだらあまりモチモチが感じられず、今度はシンプルなかけにしてみたらモチモチだった。つゆも美味(もっといりこ臭いかと思っていた)。天ぷらをトッピンにしたのに更に天かすをいれたらつゆが脂っこくなってしまった(汗)。 2019年…

9月29日の空&二日間の独り言

ちょっとだけ立ち寄った江ノ島にて見上げた空。 2019年10月4日の独り言 心房細動でカテーテル・アブレーションを受けて1年の経過観察受診。概ね問題なし。 血液検査の数値はすこぶる正常。以前は中性脂肪が基準を超えて高かったのだが、1日8kmの自転車が良か…

世界のへんな肉/白石あづさ

地方紙の記者を退職後、3年かけて世界一周をした著者が、各地で食べた「へんな肉」について記した楽しい旅行記である。 インドで水牛カレーを食べ(牛は聖なる動物だが水牛は食べていいらしい)、イランで羊の脳みそサンドイッチを食べ、エジプトでラクダを…

PINYにてパン食べ放題&二日間の独り言

PINYは藤沢市片瀬山にあるベーカリーレストランで、以前は夕食メニューで美味なパンの食べ放題があったのだが、一ヶ月ほど前に行ったら夜はピザとサンドイッチしかなく、リベンジでランチメニューに行ってみたらパン食べ放題あった(笑)。料理はチーズソー…

オレンジタルト@鎌倉歐林洞&今日の独り言

母の四十九日について菩提寺で相談した後、鎌倉歐林洞(クラシカルな雰囲気の洋菓子店・喫茶店)にて姉がおごってくれたオレンジタルト。明るい単焦点レンズで撮ったのでボケ味も出た。 2019年4月18日の独り言 亡母を担当してくれていたケアマネージャーさん…

PINYにて 山食パンサンドイッチ&今日の独り言

PINYは藤沢市片瀬山にあるベーカリーレストランで、各種のパンが大変に美味い。料理と一緒に供されるときはパンが食べ放題なのだが、夕刻に行ってみたら夕食メニューがなくなっており、サンドイッチやピザなどの軽食しかやっていなかった。パンが食べたけれ…

発作性心房細動治療のカテーテル・アブレーション体験記3 カテーテル後と退院

寝返りが許されたら、今度は栄養士による栄養指導があった。心臓病棟なので塩分は6gだそうであるが、塩分制限のある老母に合わせた食事をしているので問題ないと思われた。ただし野菜が少ないとチェックを受け厳しく指導された(笑)。 そして入院後第一食が…

食味歳時記/獅子文六

ずいぶん昔に愛読した食味随筆で、おそらく料理好きの従弟に持って行かれて久しく呼んでいなかった。30年ぶりくらいの再読だが、中身は案外覚えているものだ。雑誌での1年間の連載なので一ヶ月ごとの食味を綴っていったものだが、食に対する関心が強く、知識…

発酵文化人類学/小倉ヒラク

仕事に遊びに邁進しているうちに体調不良となり、発酵食品によって改善したという著者(デザイナー)が発酵の魅力に目覚め、発酵デザイナーを名乗り、発酵の奥深さをPRする。化粧品会社の同僚である味噌屋の娘に連れられて発酵仮面小泉武夫教授を訪ねた際、…

JAZZという名のリンゴ

スーパーで売られていた小ぶりのリンゴはニュージーランド産で、JAZZという変わった品種名。酸味と甘味が程よく、思いっきり甘い日本のリンゴより好きな味だ。季節が反対の南半球からだから旬なのだろう。 輸入フルーツは色々あるが、どっぷりと薬剤に浸かっ…

ぶどう ブラックビート

市境の境川を渡った藤沢市北部はブドウ・ナシの産地で、親戚へのギフトに使ったりするが非常に好評である。藤稔(ふじみのり)という品種が人気だが、藤沢市で作出されたブドウで、巨峰の枝変わりを固定化したものらしい。今年もそろそろ出来ているかなと思…

石巻 丸平かつおぶしの魚漬け

父祖の地、石巻の丸平かつおぶしはその名の通り鰹節業者の老舗らしいが、魚の加工なども手かけている。魚嫌いの自分は食べないが、美味とのこと。 2016年10月26日の独り言 二階の窓で背伸びをしたら富士の初冠雪が辛うじて見えた。高橋家の屋根が邪魔だなぁ…

南山コル韓屋村(ナムサンコルハノクマウル) ソウル駆け足訪問記12

ソウル最終日は冷たい雨。前日午前まではいい青空だったが、台風が接近していたのかもしれない。日本で言えば10月中旬くらいの気温になっており、念のために持ってきていた厚手のワークシャツが役に立った。まず明洞へ出て海苔やキムチや菓子の買い物。日本…

キンパッ、ロッテタワー、ククス、ソウルの交通事情    ソウル駆け足訪問記10

南山公園を後にし、シティツアーバスで東大門の駅に出て一端宿へ。食欲不振とて昼は食べておらず、せめて韓国らしいものをとコンビニでキンパッ(キムは海苔、パッは飯)を買い求めた。韓国海苔で米飯(酢飯にあらず)をまいた海苔巻きで、元来の具はタクア…

ソウル第一日 ソウル駆け足訪問記2

出発は30分ほど遅れたもののほぼ定刻に仁川到着、入国手続きの乗客が多く、外に出るのに時間がかかった。 ソウル市内までバスにするか空港鉄道A'REXにするか迷ったが、渋滞のないA'REXにしようと地下駅へ。直行列車(エクスプレス)と各駅停車(コミューター…

施餓鬼会からのケーキ

一週間ほど前、菩提寺にて施餓鬼供養があり、久しぶりに参列してみた。亡父が勝手に宗旨替えして入壇してしまった寺だし、もとより信仰などしていないが、伝統行事としての仏事には興味がある。そしてやはり、20人ほどの僧侶による読経は大迫力だった。 境内…

被差別の食卓/上原善弘

「被差別のグルメ」に先立つこと10年ほど前に出版された新書ノンフィクション。本作では、自分の生まれ育った地域のソウルフードの他、アメリカ黒人、ブラジル黒人、ブルガリアやイラクのロマ、ネパールの不可触賎民を取材し、彼らの食生活について綴ってい…

被差別のグルメ/上原善弘

同和地区出身の著者が、子供の頃に慣れ親しんだ地元の食物をはじめ、アイヌ、ウィルタやニブフなどの北方少数民族、沖縄、在日コリアンと被差別地域の共同作品である焼き肉文化など、単なる「郷土料理」「おふくろの味」」ではなく、迫害される境遇から生ま…

御馳走帖/内田百けん

タイトルから連想されるような食味随筆と言うより、食べ物や嗜好にまつわる思い出などを語った随想集という感。岡山の造り酒屋のお坊ちゃん育ちで、相当に我が儘に育ったようだ。それが筆致からも窺え、食事でのマイペースを乱されることを嫌ったり、サービ…

パステルなめらかプリンパフェ@ミニストップ&今日の独り言

ミニストップのデザート類はいつも魅惑的である。こってりとコクのあるソフトクリームが定番だが、これをアレンジしたパフェ類が手を変え品を変えて誘惑してくる。以前にもプリンパフェがあったが、今回のはバージョンアップ版の感。プリンと言うより、ちょ…

本美之須(ホンビノス)

ホンビノスは最近話題の北米原産の貝類である。船橋沿岸あたりの東京湾で採れるようになったのはわりあい最近のことらしく、伝播経路は詳らかではないが、船のバラスト水に混ざっていたのではないかということだ。見た目も味もハマグリによく似ているが(ハ…

へっころ谷にて&今日の独り言

先週の自然観察会後、会食と言うことになり、一年ぶりくらいに藤沢市六会のへっころ谷へ。オーガニックな和食メインの店で、ほうとうが名物になっているが、いつも暑い時期に行くことになるのでほうとうは食したことがない。今度は冬に来なければ・・・(笑…

バラアイスクリーム&今日の独り言

藤沢市片瀬山にあるベーカリーレストランPINYでアイスクリームサンデーを頼んだらバラ風味のアイスクリームだった。芳香過ぎてやや気になるが味は大変によろしい。 それにしても女子か!?(笑) 2015年2月25日 汚染水は完全にコントロールされていると開催…

和菓子のアン/坂木司 

デパ地下に出店する和菓子屋を舞台にした美味しいミステリー。主人公の梅本杏子はお菓子が大好きな丸ぽちゃの18歳である。高校卒業に際し、無駄に大学へ行く気はないがすぐに就職して人生が決まるのも何だかなぁとモラトリアムなことを考えているうちに五…

食堂かたつむり/小川糸 

古風でおっとりした主人公倫子は、パワフルでがさつで愛人気質の母(スナック経営)との折り合いが悪く、中学卒業後に家を出て東京の祖母と暮らし、祖母仕込みの料理センスを身に付ける。が、同棲していたインド人にタンス預金から家財道具から一切合切持ち…

某店のアイクスクリーム&今日の独り言

数年前、近隣に支店を出したアイスクリーム工房は下記のような派手派手牛が客引きをしている。 以前から気になっていたので、先日、ついに入ってみた。350円のダブルカップを注文し、外のテーブルでのんびりカメラを取り出しているうちにダラダラと溶け始…

タルト・タタンの夢/近藤史恵

文庫化にて再掲。とても美味しいミステリー連作である。語り手がホール係として勤めるビストロ・ラ・バルは商店街の一角にある小さな店だが、フランスの家庭的な惣菜料理が人気で、固定客も付いている。そんな店で起こる「なぜ常連の西田さんは食欲不振にな…

江ノ島オフ会 その3 初めてのカフェ飯

撮影会終了後、当日の発起人がよく行くというおうちカフェで遅い昼食。カフェというところに入ったのは初めてである。当日のランチメニューはオムハヤシかケークサクレ。 天井の影がきれいだったので。