本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

2009-01-01から1年間の記事一覧

薬剤師の接客

二ヶ月ほど前から膝に痛みがあり、加齢による軟骨のすり減りかなぁとおびえつつ自然治癒を待ったが一向に治らないので、致し方なく近所の中規模病院の整形外科へ。レントゲンの結果、骨に異常はなく筋肉の炎症によるものだろうと診断され、大腿四頭筋を鍛え…

海王(上・下)/宮本昌孝

武人として超越しており、清爽さでひとを魅了し、乱れる世に平穏をもたらそうとしながら非命に斃れた快男児・足利義輝(室町幕府十五代将軍)の生涯を描いた「剣豪将軍義輝」の続編にあたり、義輝の落胤である海王(ハイワン)が父親と同様に胸透く活躍をす…

オカメインコに雨坊主/芦原すなお

50代と思しき画家が、鉄道を乗り間違えてたどり着いた不思議な田舎町に住み着き、そこでの日々をユーモラスに綴る連作掌編ファンタジー。時代設定がよく分からないが「このあいだの戦争」というような描写もあることから、戦後数年くらいということになっ…

日蓮

鎌倉・妙本寺(比企邸跡)に建てられている日蓮像。新しいものだと思うが、高さ5〜6mのあたりから回りを睥睨している。眉太く、目は大きく、鼻梁の高い意志の強そうな顔は縄文人的に思えるがどうだろう。千葉の生まれだから、南方系の祖先が黒潮に乗って…

フレディ 小さないのちの物語/レオ・ブスカリア

子供に死とは何かを教えるための写真絵本。以前に「葉っぱのフレディ」がブームになったが、「葉っぱ」よりも前に詩人の三木卓が翻訳したものである。 血止め式のhebakudanさんに本書のことを教えていただき、ぜひ読んでみたくなった。 内容については多分よ…

近所の迷惑猫

横から見れば猫らしくて可愛いのに・・・(笑)。

海辺の博覧会/芦原すなお 

「三丁目の夕日」のヒットと関係あるのかどうか、著者の少年時代と思しき1960年前後の悪ガキたちの遊びと生活を描いた、ユーモアとノスタルジーたっぷりの少年小説である。著者は香川県観音寺市の出身だから、この物語の舞台も多分そうなるのだろう。風…

青に候/志水辰夫

「飢えて狼」「背いて故郷」「裂けて海峡」など、体言止めを多用した気取った文体(いわゆるシミタツ節)の抒情派ハードボイルドで一世を風靡した著者の作風は、ストーリー的には面白いと思うもののあまり好きではなかったが(文芸評論家の北上次郎のように…

招き猫の日

本日9月29日は日本招き猫倶楽部制定の招き猫の日だそうです(来(9)る福(29)の語呂合わせの由。何でもアリか!(笑))。 http://www.nekoma.net/club/このところ招き猫にはまっているので、過去に掲載した画像を再掲するとともに関連ページへリンクし…

やがて目覚めない朝が来る/大島真寿美

かつては大女優であり、シングルマザーとなって数年後、突如引退してしまった蕗さん(矍鑠、飄々とした老女)を孫娘有加の目から綴った小説である。蕗さんは有加の父方の祖母だが、有加の両親が離婚した後、母親と有加は何故か蕗さんと同居している。有加の…

果ての花火 銀座開化おもかげ草紙/松井今朝子

幕末の騒動で燃え尽きた御家人の次男坊久保田宗八郎は、胸に鬱勃たる思いを秘めながら明治開化の銀座の街で世捨て人のように暮らしているが、宿敵への憎悪など熱い思いも残っており、何かと世間と関わることになる。 「幕末あどれさん」「銀座開化事件帖(銀…

【新釈】走れメロス 他四篇/森見登美彦

近代日本文学の古典を独特のノリで翻案換骨奪胎した快作である。物語の登場人物は少しずつ重なり合うが、それぞれに独立した短編になっていて、作風もそれぞれに違う。「百物語」「桜の森の満開の下」のように幻想的でシリアスな作品もあるし、ギャグとドタ…

せいぜいがんばってください。

北京オリンピックに出発する選手団に向けて、二代前の首相(昨年なのに二代前)が「せいぜいがんばってください」との激励(?)を贈ったという話がある。「せいぜい」は「相手の力を見くびる時」や「予測しうる数値が低めに限定されそうな時」などに使われるが…

狸の夫婦/南伸坊

笑う茶碗に続いて、風流酔狂な夫婦シンちゃんとツマ文子の日常を描いたエッセイ集。どうでもいいことを軽い文章で綴るこの手のエッセイは過去に多数書き手があり、どれを読んでも誰かの亜流になってしまいそうなのだが、本書がじんわりほんのりと楽しいのは…

踊る陰陽師 山科卿醒笑譚/岩井三四二

室町、安土桃山にかけての庶民の苦労やしたたかさを描くのが岩井作品の特色だが、今回も、「父と兄が死亡し、急遽、家を継いだものの客が付かない陰陽師」「曲舞(くせまい)の芸人娘に無理難題を言われる座元」「故郷の村の急場を何となしなければならない…

野鳥観察会にて

隣区の自然公園の野鳥観察会に参加した。朝のうち少し曇り気味だったが、すぐに晴れて実に野鳥観察日和。 まだ葉っぱの生い茂る時期だし、大体繁殖期は終わっているし、さほど期待できない感じだったが、何でも見られればいいやと思いながらスタッフの後に付…

御家人斬九郎/柴田錬三郎

松平残九郎は、家柄は大給松平に連なる名家ながら無頼な貧乏御家人で、剣の腕が冴えているため、大名・大身旗本・豪商・豪農などが秘密裏に処分する罪人の介錯をかたてわざ(副業)としており、付いた渾名が斬九郎。この斬九郎の活躍を描く痛快な時代連作で…

萌え米(笑)

生協宅配でやってきた千葉県産ふさおとめ新米。 この萌えキャラクターのおかげか結構人気なんだという話です。wikipedia:ふさおとめ

一回こっくり/立川談四楼 

一回こっくり作者: 立川談四楼出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る自身の来し方を語り、家族の死を語り、それを江戸創作落語(江戸時代を舞台にした創作落語を作りたいというのが筆者の願望である)の…

俄 浪華遊侠伝(上・下)/司馬遼太郎

明治維新前後の大坂(大阪)で名前を売った侠客・米相場師の明石家万吉の半生を描いた歴史小説である。以前に武田鉄矢と明石家さんまが共に好きだと話していて、竜馬フェチで司馬遼太郎を過大評価している武田鉄矢だしなぁ・・・、と今ひとつ手が出ないでい…

風魔/宮本昌孝

小田原北条氏に仕え、戦国時代に盛名を轟かせた忍び集団風魔の頭領小太郎と、徳川家康側との角逐を描いた堂々の時代長編。 七尺の巨体を持つ小太郎は風神の申し子と呼ばれ、常に爽快な風をはらんでいるような、天性の明るさと爽やかさを持つ快男児である。関…

歩く/ルイス・サッカー

穴" のスピンオフ作品で、「穴」の主人公スタンリーの収容所仲間だったアームピット(脇の下)が主役になっている。X・レイも登場しており、生き生きと描かれている。「穴」の時にはどちらもスタンリーにまとわりつく悪のイメージしかなく、このキャラ造形…

胃薬の広末

新キャべジンコーワのCM(下記ページの交差点篇)の広末は、生気のない表情がなんだか美人の幽霊画みたいだ。 http://hc.kowa.co.jp/cabagin/cm/shin_s.php↓幽霊画イメージ検索はこちら http://images.google.com/images?client=opera&rls=ja&q=%E5%B9%BD%…

ディスプレイの字が小さい

10年ほど前から眼鏡(近視+乱視)をかけていて小さな字がかすみ始めてはいたが、文字が読めないということはなかった。それが2〜3年前から小さな字を読むとか、申込書を書くとかするには眼鏡をはずさなければならない事態に・・・。ディスプレイに関して…

検索しようとして

別の部屋へ何か物を取りに行き、さて何を取りに来たか忘れてしまうというのはよくあることだと思うが、何かを検索しようと思いついてブラウザを開き、検索ボックスに入力しようとして忘れいることが多くなった。悲しい・・・。

晴れたらライカ、雨ならデジカメ/田中長徳

写真家でカメラコレクターで熱烈なライカ愛好家である著者が、銀塩カメラとデジタルカメラの長所短所を論じ、実践的なアイデアも指南してくれるカメラ本。著者にとってデジタルカメラは万能実用機械であり、趣味や楽しみの道具ではないようだ。楽しみを与え…

夏が往く

高温多湿が嫌いな人間なので、梅雨明けくらいになると、早く秋が来ないものかと毎年思う。ただ、虫の音が聞こえ始め日暮れの早くなる今頃になると、人並みに寂しさを感じ、往く夏を惜しんだりしている(笑)。今年は秋が早い。朝晩の空気がかなりひんやりし…

おニューPCで見る写真

PCを買い換えました。 ディスプレーによる見え方の差は大きいですね。野鳥と植物の写真に特化したブログをグーグルブロガーに開設しているのですが、「ワシの写真もこれくらいには見えていたのか!」と愕然としながら喜んでおります(笑)。以前のヘナチョコ…

日本の放浪芸/小沢昭一 

俳優で、個性的な話術が魅力の著者は放浪芸能史に対して強い関心を持っており、その方面の著作が何冊もあるが、研究者というよりマニアの感じだろうか。保存された伝統芸能には興味がないらしく、70年代に現役(金が稼げる)の放浪芸を訪ね歩いて採録した…

李世民/小前亮

唐の二代皇帝太宗の若き日である李世民が唐建国に奔命する姿を描く大作中国史小説。隋末、皇帝楊広は国務を放擲して南方で享楽の日々を送り、各地に群雄が割拠している。王族でもある太原留守の李淵(唐公)は、二人の良くできた息子に促され決起し、長安を…