本・花・鳥(ほん・か・どり)

本とか植物とか野鳥とか音楽とか

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

北条綱成/江宮隆之

駿河今川家の武将・福島正成(くしままさしげ)の嫡男で、後に小田原北条家の親族となり、地黄八幡の異名を取った北条綱成の生涯を描く歴史小説である。父は甲斐武田との戦いで戦死、福島一族の片隅で成長した孫九郎(後の綱成)だが、福島家が花倉の乱(今…

赤めだか/立川談春

立川談志の弟子で立川流真打である著者が、高校を中退して談志に入門し、紆余曲折を経て真打になるまでを面白おかしく描いた自伝エッセイである(因みに昨年あたりの新聞には談春が談志の芸の継承者であるらしいことが書かれていた)。 天才の誉れ高い談志だ…

香箱?

昨年、江ノ島で撮ってきた猫ですが、 香箱というには前足が左右にはみ出しすぎでしょうか(笑)。

蓮 鎌倉鶴ヶ岡八幡宮にて

人形と政治家は顔が命?

衆院解散となった。現在の所は民主党に風が吹いているが、同じように献金問題を抱えながら、圧倒的に支持が強い現代表、辞任圧力の強かった前代表の違いは、やはりご面相なのかと思ったりする。顔が良ければいい人そうに見えたりするし、前代表はああだから…

俳風三麗花/三田完

そろそろきなくさい匂いが漂い始めている満州事変ころの東京を舞台に、中堅俳人 秋野暮愁の句会に集う三人の女性の句作や恋や描いた句会小説。ちゑ(大学教授の娘)、壽子(医専学生)、松太郎(浅草芸者)の三人の描き分けが面白く、戦前の女性らしい雰囲気…

当マイクロフォン/三田完

大河ドラマや鬼平犯科帳など、名調子のナレーションで一世を風靡したNHKアナウンサー中西龍(なかにしりょう)の評伝小説である。三田完はNHK出身の作家だが、小説内では二村淳という芸能番組スタッフと中西の世代を超えた交流(清遊仲間とも言えそう…

テレコンでゴイサギ

OLYMPUS テレコンバージョンレンズ TCON-17出版社/メーカー: オリンパス発売日: 2003/03/21メディア: Camera クリック: 10回この商品を含むブログ (3件) を見る 野鳥観察を始めてから写真にも残したいと思うようになったが、いかに12倍ズームでも、遠くに…

紅はこべ/バロネス・オルツィ 

「紅はこべ」が有名な歴史ロマン大作であり、安楽椅子探偵小説の名作「隅の老人」のバロネス・オルツィの作品であることは知っていたが、この手の歴史冒険ロマンが大好きな割りに何となく今まで手に取る機会もなく来てしまった。昨年、集英社文庫の広告で見…

毎度いつもの猫ですが・・・

例によって雨戸を開けたらいつもの猫が・・・(笑)。

吉原手引草/松井今朝子

言わずと知れた直木賞受賞作。吉原一の花魁葛城の起こしたスキャンダルを、吉原に携わる様々な人間に軽薄そうな若者が取材して回る聞き書きになっており、売れっ子の花魁の人間性や魅力と共に、事件の真実が徐々に浮かび上がるというなかなかミステリアスな…

大盗禅師/司馬遼太郎

司馬遼太郎は、デビュー当時は幻想味の多い娯楽時代小説を書いていて、近年、それらの作品が文庫に収録されるようになっている。大盗禅師もその一冊で、初出は昭和43年頃らしい。 舞台は三代将軍家光の代になり、徳川体制が固まり始めた頃。摂津住吉の浦で…

レンタル

清く正しいNPOが使う名称をポルノ映画に流用されたと姉さんたちが憤っているが、どこか「性」の匂いがする、この淫靡で斬新な響きの造語をアダルト関連がほっとくはずもない。こんなキャッチーな名称を作ってしまった故の弊害かと思う。兄さんもあるらし…

東慶寺散策

檀家になっている寺で施餓鬼供養があり参加。仏教を信仰している訳ではないのだが、大勢の僧侶による読経(大迫力!)を聴けるのは宗教体験として興味深い。やはり宗教と芸能は同根だなぁと思う。時にはスピリチュアルな感慨にふけるのも悪くない。散会して…

カカオ80%の夏/永井するみ 

中高生向けミステリー叢書ミステリーYA!(理論社)の一冊。お嬢様の多い私立女子高で孤高を貫くクールな三浦凪が、夏休み中に行方不明になった友人雪絵を見つけるべく奮闘する女子高生ハードボイルドである。男に頼らなければ生きていけない大学教授の母を持…

終わり間際のあじさい@鎌倉権五郎神社

数日前、空いた時間に鎌倉長谷の御霊神社(権五郎神社)へ行ってきた。最近、長谷一帯はあじさい名所として売り出しているが、このさほど広くない神社は境内に江ノ電が通っていて線路際にあじさいが植栽されており、「あじさいと江ノ電」のセットで昨今人気…

まんまこと/畠中恵 

病弱な若旦那と愉快な妖(あやかし)たちとのほのぼのとした交流が楽しいお江戸妖怪ファンタジー「しゃばけ」シリーズで人気の著者の作品だが、こちらは妖は出てこず、普通に時代小説である(笑)。神田の八町を束ねる古町名主高橋宗右衛門の頼りない跡取り…